十代のころまで逆のぼってのお話ですが・・・
当時、楽しい事があれば東に面白い事があれば南の地域へと気の向くままに
何に縛られる事も無く自由に行動を取っていましたが、その頃に出会った
1つのグループとボタンの掛け違いから、つまらん事で交流が無くなってしまうわけです。
たぶん、今なら話し合って解決する事も出来たでしょうが
当時は若く・・・お互い意地になり そのまま三十数年間、音信不通になりました。
ところが、その中の一人Nと1年ほど前にひょんな事が切っ掛けで再会しました。
過去のその事について気になる部分ではあったのですが、今さら ほじくり返す必要も無いし
気を悪くする必要も無い・・・たぶんNも同じ思いだったはずです。
なので、暗黙の了解と言いうか・・・お互い、その事については触れませんでした。
一度だけNが、「T、どうしてるんやろう?」と何気に口にした事がありますが
Tが発端でこじれたことを思い出したのでしょう・・・
Nは自ら別の話題に切り替えました。
まぁ、どことなくギクシャクした部分はあったのですが時折、Nとは連絡を取っていました。
取っていたと言っても飲みに行こうなどの遊びではなく
仕事の事で色々とやり取りをしていた感じです。
人間努力すれば変わるものですね、Nは不動産会社を経営して立派な社長になっていました。
若い頃から知っている私には、きっと多くの事に頭を打ちながらも
前向きに頑張って来たのだろうという事は聞かずとも容易にわかります。
「どうせ誰かに頼むなら康士朗にまかせるわ」て、好意で案件を振ってくれるのですが・・・
何だろう?、雨漏り案件は困っているようで調査に行きましたが それ以外の改修工事は
昔の友人に気を使いたくないと言うシンプルな私のわがままで案件を却下してきました。
天邪鬼な話ですが、案件を断っているわりにはNの気持ちが妙にうれしかったのです。
まぁ、そんなやり取りが続いて話もする機会が多くなり、
「もしかしたら意外に長い付き合いになるのかなぁ~?」などと思たりしたのですが
人の命は、はかないもので先日、ガンが再発してこの世を去りました。
通夜には親戚と仕事関連以外には知らせてなかったようで
当時のメンバーは誰も出席しておらず仕事で付き合いのあった私だけが呼ばれたようです。
手を合わせながら「なんぼなんでも早すぎやろう・・・」と、話しかけるように
お焼香を済ませたわけですが「Tどうしてるんやろう?」と何気につぶやいたNの一言が
妙に心に引っかかります・・・
久しぶりに会いたかったはずです。
こちらから連絡を取る事は少し不本意な気もするのですが
なんとか探し出して・・・会いたがっていた事をTに伝えてやるつもりです。
合掌