お家は雨漏りを放置したまま塗装をしても長持ちしません。有限会社グラス・サラは、長く住める家をコンセプトに提案できる雨漏り・防水専門店です。

天井のシミやカビの原因を解説。雨漏り以外が原因のこともあり。

天井のシミ天井のシミやカビの原因といえば、雨漏りが代表的ですが、実は雨漏り以外にもあります。専門でもない限り一般の方に雨漏りか、そうでないかを判断するのは非常に難しい事だと思います。

「予備知識が無いまま工務店等に相談するのも不安を感じる…」などのご相談が多くあります。このページでは、雨漏りや雨漏り以外で天井にシミやカビができる原因を解説していきます。

雨漏りが原因でシミができていた事例

過去に弊社にあったお問い合わせを例に解説していきます。

建物情報とヒアリング

建物は木造軸組み構法2階建て、外壁はサイディング通気構法、屋根軒ゼロです。

過去に、2階の天井入隅から雨漏りが発生。他業者で、屋根をガルバリウム鋼板立平葺きに施工したが、雨漏りは止まらず天井のシミは広がるばかりだったそうです。

お客様が、屋根を葺き替えた施工業者に「雨漏りを止めてほしい」と伝えたところ、「工事とは関係のない箇所からの雨漏りなので、責任は無い!」と言われたそうです。そこで、弊社に連絡をいただきました。

 赤外線による天井の雨漏り
天井クロス(張り紙)の破断         左写真のサーモグラフィーカメラの映像
                    (ブルー色が温度が低い箇所になり、雨水浸出箇所)

目視確認および散水調査

小屋裏(屋根裏)から確認すると、外壁の二次防水(左下の写真:赤丸)に雨水が流下したシミがありました。目視確認の状況から、仮説として壁とケラバの取り合いに問題があると判断しました。

その後、本格的な調査をするために散水調査を行なった結果、仮説通り、壁とケラバの取り合いが浸入口である事が確認(雨漏りの再現)されました。

小屋裏に雨漏りのシミ 軒ゼロ
小屋裏内

修理方法

軒ゼロであるにも関わらず、従来の軒がある施工方法を採用した新築工事、さらに屋根の施工業者の知識不足が原因となった雨漏り事例です。

以上の事から、ケラバと壁の二次防水をつなぎ合わせ、防水の連続性を確保する措置をおこなう修理をしたことで、雨漏りが止まりました。

雨漏り以外の天井のシミやカビの原因

1.小屋裏(屋根裏)の結露

 

軒ゼロおよび屋根・壁の構造
結露の原因は多岐にわたりますが、ここでは「天井のシミ」というテーマに絞って断熱の基礎知識を説明します。まず、天井断熱と屋根断熱の違いは、天井断熱(上記図の紫の線)は天井裏の位置に施工され、屋根断熱(上記図の赤の線)は屋根下地の野地板の位置に施工されます。

■天井断熱の結露
室内で暖められた空気が上昇し、天井を抜けて小屋裏(屋根裏)に到達します。小屋裏は、外気の影響を受けて冷えているので、湿った空気が小屋裏の金属等に冷やされて水蒸気となり、金属などの表面で水滴となって天井裏に落ちる事でシミとなります。

結露による釘の錆 
結露による釘だけが錆ている         赤丸:左写真の拡大

■屋根断熱の結露
湿った空気が小屋裏の屋根断熱まで達すると、外部の屋根材に冷やされる事で野地裏(野地板)と断熱材の間で結露をおこします。下記写真は屋根断熱を取り除いた時に確認された結露の状態です。やはり、野地裏の水滴が天井裏に落ちる事でシミになります。

野地板の結露
写真:屋根断熱による結露

注意1:吸気や排気といった通気層が設計されていれば屋根断熱も天井断熱も結露は少ない状態を維持できます。
注意2:通気層の問題もありますが、断熱材の種類によっては湿気を逃がす効果の素材もあり、ここでは深堀の話には触れていません。

2.すが漏り

すが漏りとは、寒さの厳しい地域で冬場に水蒸気が野地裏で凍り付き、春になると凍り付いた水蒸気が溶け出して雨漏りのようになることを言います。

気候の穏やかな関西で起こることはほとんどありませんが、水蒸気が小屋裏に溜まる状態は穏やかな気候でも変わりません。小屋裏の腐朽(ふきゅう)を考えると、換気による空気の循環システムを採用する事も望ましいと思われます。

3.小動物の糞尿

ネズミやハクビシンなど、小動物の糞尿が天井のシミになって表れる可能性があります。この場合は、匂いや天井裏で音がするなど、ある程度は住んでいる方に分かるようです。

ただ、私の会社では雨漏り調査は出来ても、小動物の駆除はやっていないので、駆除は専門業者に発注してください。(^^)

4.化粧合板(ラミネート天井)

現在の住宅の天井は、無垢材(丸太からそのまま切り出された材料)で施工されていることは稀で、化粧合板(ラミネート天井)が施工されている事が一般的です。

化粧合板とは、木目のプリント合板に貼り付けた天井板のことで、合板とプリントを接着剤で貼り付けます。この貼り付けた天井材が、経年劣化とともに接着剤の天井材表層に移行し、雨漏りのようなシミ痕になることがあります。

天井の雨漏りシミ 天井のシミ
写真1:天井の雨漏りシミ           写真2:黒いシミ

目視でのシミの見分け方は、たとえば写真1の雨漏りのシミは不規則に広がりを見せますが、写真2の天井材の黒いシミは直線的に伸びています。

すべてとはいい切れませんが、直線的に伸びるシミは、なんらかの人の手が加わることで、経年劣化とともに加工過程・材料選択ミス等が影響すると考える方が自然です。

天井にシミがあった場合、雨漏りか?結露か?を自分で確認する方法

天井にシミがあった場合、屋根の雨漏りであるか、そうでないかを確認するには小屋裏を目視することで確認できます

小屋裏を目視するためには点検口が必要であり、既存の点検口が無ければ新たに設置する必要があります。

点検口を新設する場合は、出来るだけシミのある位置に近い方が確認が取りやすいなどのメリットがありますが、点検口の設置に抵抗がある場合は押入れなどの天井に設け、目立たない様にするのもよいでしょう。

天井裏の雨漏り

降雨の強い日、点検口から小屋裏(屋根裏)を確認し、野地裏や垂木・天井材に雨水のシミ・および濡れ跡が無いか確認します。この手の検証は、プロでなくても分かりやすく確認を取れる方法です。

ただし、プロが行う屋根裏に実際に入る事に比べると、全体が見えにくく正確な判断ができないこともあります。

プロが行う本格的な調査

I小屋裏(屋根裏)の雨漏りの痕跡  s_10939264_839171856145592_781257438_o>小屋裏に上がり検証をする
写真:屋根裏雨漏りの痕跡

本格的な調査として点検口から小屋裏に上がり内部から雨漏りの痕跡を確認して結論を出しますが、簡単にできるように見えて実は結構大変です。

たとえば、天井裏の野地板にシミがあったとします。しかし、野地裏のシミがもしかしたら新築当初の運搬時に雨に打たれて濡れて出来たシミの可能性も否定できません。

なので、弊社では赤外線カメラや水分の含水率を測定する事でトータルで結論付ける作業を行います。また、小屋裏の骨組みなど足をかける所も限られています。決して構造を理解しない方が真似しないでください。

体重をかけてはいけない木部や踏み外すと天井が抜けてしまうなど大けがをする可能性があり、雨漏りかどうかの確認では無くなります。どちらにしても、赤外線カメラや水分計からの判断が必要であり、プロに任せる領域です。

赤外線かめらによる雨漏り調査 雨漏り調査による水分含有量の検査
赤外線カメラ使用              水分含水率の測定

できてしまったシミやカビを補修する方法

点検口 和室天井クロス貼り
写真:点検口                和室天井模様 クロス施工中

天井のシミの原因がわかったら、雨漏り業者や工務店に相談をして対策を取る事になると思います。対策後に、点検口やシミ跡が気になる場合の修繕方法は、以下の2つの方法があります。

・室内の天井材を張り直す
・クロス(張り紙)を貼る

室内の天井材を張り直す方法は、大掛かりな工事になるため費用も高くなってしまいます。

そこで、オススメなのはクロス(張り紙)を張る方法です。意外に、見分けがつかないほど自然な感じに仕上がります。

ただし、注意点があります。天井材に直接クロス(張り紙)を貼ると、クロスの接着剤と天井材の相性が悪く剥離することがあります。そのため、天井材の上にコンパネ(下地材)を施工してから、クロスを張る必要があります。

天井材を張り換えるよりは、クロス施工の方が安価に施工を出来ますが、それでも6畳間の天井クロス施工で約12万~15万円程度(税別)の工事費用になります。

動画で見る「天井の雨漏り再現調査」

言葉で書くよりも動画を見たほうがわかりやすいかと思い、天井の雨漏り再現調査の様子を撮影しました。

まとめ

シミが出ていたとしても、雨漏りだけが原因ではないことをお分かりいただけたでしょうか。雨漏りには雨漏り対策の補修。その他の原因には、それぞれあった補修が必要です

お客様のご相談には、「他の業者は屋根塗装で雨漏りを止めると言っていた。」などむちゃな話も聞きますが、これは完全にNG。

ブログの中で何度もお話ししている事ですが、塗装は雨漏りしていない状態のメンテナンスでは力を発揮しますが、2次防水(ルーフィング)に不具合がある場合は表面の屋根材(1次防水)を塗装しても効果はありません。

また、現状漏れていなくても2次防水(ルーフィング)の耐用年数は15年~20年程度である事も考慮に入れる必要があります。

この耐用年数が過ぎている場合は、1次防水のメンテナンス(塗装)を行ったとしても半年後、もしくは1年後に2次防水の不具合から雨漏りにつながる可能性があります。ただし、必ず雨漏りが発生するわけでは無い事も事実です。

軒ゼロ
上記参考図面:屋根材1次防水・ルーフィング2次防水

そういえば去年、堺市で天井のシミについて問い合わせがあり、調査の結果から雨漏りで無い事を結論づけたお客様から屋根と外壁の塗り替え工事をご依頼いただきました。

雨漏りで無い事を伝えて問題が無いので帰ろうとしたところ、引き留められ塗り替えの依頼を頂いたのがきっかけです。

「あっ、塗装をするんですか?」的な意外な返事をしてしまった記憶があります。もちろん、塗装工事も 建物に合ったスペックを提案し、品質も頑張らせていただきました。

IMG_5081 (1)

工事終了後、「大満足ですよ坂元さん!」と感想を頂いたことが本当に嬉しかったです。気になる事は、しっかりと確認する事が工事を失敗させない大事な工程です。

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