お家は雨漏りを放置したまま塗装をしても長持ちしません。有限会社グラス・サラは、長く住める家をコンセプトに提案できる雨漏り・防水専門店です。

外壁・屋根塗装の必要性と塗装しないリスク

外壁・屋根塗装とうい概念だけで塗り替えの必要性を説明するには不十分なので、まずは外壁や屋根の防水機能の仕組みについて触れつつ、塗装の目的についてお話します。

また、外壁・屋根塗装をせずに放置した場合に起こるトラブルも併せて紹介します。

防水機能の仕組み

防水機能について

まず、防水機能を説明する言葉として「1次防水」と「2次防水」と呼ばれるものがあります。

1次防水とは外壁材および屋根材のことを指し、2次防水は外壁材(1次防水)の内部に施工されている透湿防水シート・フェルトや、屋根材(1次防水)の内部に施工されているルーフィングの事を指します。 注意:2次防水の無い壁も存在する(例:コンクリート造)

雨仕舞について

通常、1次防水だけでは完全に雨水の浸入を防ぐことはできません。1次防水で防ぎきれずに、継手やわずかな隙間から浸入した雨水は、2次防水の表面を流下しながら外部に排出されます。

この雨水の排出する仕組みを雨仕舞といいます。もし、雨水が2次防水を突破すると雨漏りが発生する事になります。

上記内容を理解した上で、外壁・屋根塗装の必要性をより深く掘り下げていきます。

【外壁・屋根塗装の目的その1】美観を良くする

塗装面の色ムラが無い事はもちろんですが、塗る個所と塗らない箇所の取り合いライン(例:壁と巾木の取り合い)を綺麗に取る事が、建物全体の見た目や印象が変わります。

取り合いとは、例のような壁と巾木や壁と庇など、異なる建材同士が結合されている部分の事を言います。

色ムラが出ないようにするコツ

色ムラが出ないようにするには、下地の劣化に合わせて下地調整の回数を増やす事や、下地材と塗料に合った塗料の選択が必要になります。

また、壁を塗るローラーの毛の長さによっても膜厚が変わる事から、壁との相性を考える必要もあります。

塗る個所と塗らない箇所の取り合いライン(見切り・ダメ込み)

あまり重要視されない傾向にありますが、このラインやダメ込みと呼ばれる作業が建物にすっきりした印象を与える大きなポイントです。

ライン(見切り・ダメ込み)の取り方について興味がある方はブログ(塗装の約束事)に詳しく解説しているのでご覧ください。

【外壁・屋根塗装の目的その2】防水機能を復活させる

1次防水の機能が低下すると、壁を手で触った時にチョークのような粉が付くチョーキングという現象が現れます。チョーキングが発生するのは、塗膜が熱や紫外線の影響で経年劣化する事が原因です。

また、シーリング(コーキング)に破断が見られる場合も、壁内部に雨水が浸入してしまう事から1次防水の機能を有していない事になります。

これら1次防水の機能低下は2次防水にダメージを蓄積させる事から、塗り替え時のサインになります。

このように話すと、「2次防水が施工されているので、チョーキングやシーリング破断は気にしなくて良いのでは?」という疑問もあるとは思います。

ですが、2次防水は壁・屋根の内部にある下地材なので紫外線に対応できる素材では無く、また常に雨水にさらされた状態で乾燥収縮を繰り返すと、通常の経年劣化より早いスピードで痛みが生じる恐れがあります。

以上の事から、1次防水の機能を取り戻すことは非常に大切です。ただし、2次防水の防水機能は外壁・屋根塗装(1次防水)をしても取り戻す事は出来ません。2次防水を機能させるためにも、劣化が進む前に外壁・屋根塗装を考える事が建物の寿命を延ばす事に繋がります。

【外壁・屋根塗装の目的その3】特殊な機能性を付ける

各メーカー、様々な機能が付いた塗料を開発・発売しています。その中でも「遮熱機能」「断熱機能」はよく目にするのではないでしょうか。

2つの違いは以下の通りです。

遮熱機能:熱を反射させる機能
断熱機能:熱移動を遮断し熱量を内部に伝えない、もしくは外部に逃がさない

断熱塗装に過度の期待は難しい

私は雨漏りと塗装のプロであり、断熱に関しては専門家ではありません。(断熱は近畿大学などで専門に研究されています)

ただ、雨漏り調査で原因を究明する際に、雨漏りなのか断熱による結露なのかを見極める必要があるため、断熱や通気に関しては基本的な知識は学んでいます。この様な知識を蓄積していくと、断熱塗装はお客様にお薦めしにくいといった結論に達します。

先に誤解が無いように話すと、決して「メーカーが作る材料が悪い」という事ではありません。また、塗り替えと同時に「少しでも涼しくなるなら」と考えるお客様の要望は尊重されるべきだと考えています。

ただ、過度の期待はしないことです。

理由は、断熱塗料3回塗り(約0.1mm~0.3mm程度)にあります。断熱効果は、熱の通りずらさを表す数値「熱抵抗値(R値)」で計算され、熱抵抗値(R値)が高いほど部材の断熱効果があるという意味になります。キャンプに使うテントや寝袋の素材についても、この数値を断熱性能の比較に使います。

計算方法は、次の通りです。
熱抵抗値(R値)=断熱材の厚み(厚みがあるほど良い)÷熱伝導率(低いほど良い)

具体的な数字を入れて解説はしませんが、この計算式でいくと熱伝導率が低くても、断熱材の厚み(グラスウール等は50mm~100mm)と塗装塗膜(約0.1mm~0.3mm程度)を比べると、0.1mm~0.3mm程度の厚みしか無い塗装塗膜では熱伝導率が優秀でも断熱性能は低いという結論に至ります。

塗料に断熱性を持たせる発想は評価できるのですが、「驚くほど涼しくなる」とか、もしくは「信じられないほど、暖かくなる」などの過度の期待は難しく、「既存の断熱性能に少し付加される程度」と認識して採用する事が望ましいと考えられます。

知っていると為になる断熱の予備知識

■断熱の基本用語

充填断熱:木造住宅の室内側の断熱を充填断熱と言います。よく内断熱と言われますが、正しくはRC造に使用される場合が内断熱と呼ばれます。

■外張り断熱
木造住宅の外側に使用される断熱を外張り断熱と言います。外断熱もRC造の用語です。

■付加断熱
充填断熱(内断熱)+外張り断熱(外断熱)のことです。

壁体内(壁内部)結露と1次防水の関連性

窓に結露が溜まり「いやだな」と感じる事もあるとは思います。壁体(壁内部)に結露が起きた場合の問題は、柱や梁といった躯体に影響を及ぼす可能性がある事もしくは壁体(壁内部)で大量のカビが発生する事です。

特に、充填断熱(内断熱)による断熱欠損は、室内の湿気が壁体に浸入して結露が発生するで注意が必要です。

ただ、近年の住宅壁はサイディング通気構法を採用しており、室内湿気が断熱材が納まる壁体から合板→透湿防水シート(2次防水)→通気層を通って外部に排出されるので、数十年前のモルタル湿式構法と比べると壁内結露の可能性が下がると言われています。

通気構法で注意すべきなのは、2次防水である透湿防水シートが劣化していると、通気層までのスムーズな湿気の排出を妨げる可能性がある事です。

この点から考えても、1次防水の機能回復は2次防水(透湿防水シート)を守る事にも繋がるので、定期的な外壁(1次防水)のメンテナンスは重要と言えるでしょう。

放置すると起こりうる現象

「防水機能を復活させる」にも触れた通り、塗り替えれば1次防水はある程度まで回復するかもしれませんが、2次防水の劣化は回復する事はありません。また、冒頭でも話しましたが、「1次防水では雨水を完全に止めることが出来ない」という前提で2次防水が施工されています。

2次防水の劣化および不具合を突破して雨漏りが発生した場合、1次防水の機能を回復させても雨漏りは止まらないため、壁・屋根を取り外して2次防水を新たに施工する必要があります。

こうなると塗り替えを行うより工事費がかなり高くなるので、2次防水の劣化が進む前に1次防水のメンテナンスを行うことが大切です。

まとめ

塗装についての記事でありながら、壁・屋根の防水機能、更には断熱についてもお話しました。

耐候性が高い塗料や断熱等々の付加価値が高いと言われる塗料が世の中には溢れていますが、それら付加価値が高いと言われる塗料も本当の意味で家を長持ちさせる事に繋がるのでしょうか?

外壁・屋根塗装を考える上で欠かせないのが、1次防水や2次防水の劣化状況・屋根や壁の通気層を考慮しながら塗装スペックを選ぶことです。この事を全く理解せず、塗料単体の付加価値や性能のみを過大評価すると、美観が良くなるという域からは脱しきれないはずです。

雨漏りの案件を多く手掛けている経験から、他の塗装業者とは違う切り口の話になり驚く方もいるとは思いますが、やはり外皮(壁・屋根・窓)について学べば学ぶほど一方向からの考えでは不十分だと感じます。

今後も必要な知識を積み重ねながら、より良い提案が出来るように励んでいきます。最後までお話を聞いて頂きありがとうございました。

>>ホームへ戻る
cv_bnr

メールでのお問い合わせはこちらから

画像:屋根の修理 画像:屋根の雨漏り 画像:壁の雨漏り 画像:サッシの雨漏り 画像:屋上防水 画像:雨漏りに関する保証 画像:雨漏りに関する保証 画像:失敗しない雨漏り工事会社の選び方 画像:雨漏りについて動画のページ一覧を見る
Copyright © 有限会社グラス・サラ All Rights Reserved.