久しぶりの投稿です。
最近はYouTubeチャンネルに動画を投稿しているので、ブログは随分とご無沙汰です。私的には動画を投稿しているので良いかと思ってましたが、初めて私のホームページをご覧になる方は更新が止まっているように見えるようで・・・ブログはブログで月一程度には更新して行く、という流れになりました。・・・(^^:)

 

さて、プレキャストコンクリート(PCa)を知らない方のために、「PCaとは何か?」というところからお話します。現場で型枠を職人さんが組立てコンクリートを流し込んで出来る建築物をコンクリート在来工法、製造所でコンクリートパネルを作り現場でコンクリートパネルを組み建てていくものをPCaと呼びます。 注意 PC(プレストレスコンクリート)の説明ではありません

メリットとして、工期が短縮でき、水分量の少ないコンクリートの形成から湿潤養生まで製造所で管理する事で、耐久性のある高品質なコンクリートに仕上がります。もしデメリットを考えるなら、パネルとパネルの間の止水はシーリング(コーキング)に頼る事になるので、シーリングの劣化による破断が原因で雨漏りに繋がりやすいという事です。

 

まぁ、在来型RC造(鉄筋コンクリート)も各階ごとの打継ぎ目地(シーリング)や貫通部もシーリング処理なので、シーリングの劣化という意味では、コンクリート在来工法とリスク的には同じかもしれません。サイディング等の通気層や2次防水の考え方が無い為、シーリングの劣化が雨漏りに繋がる可能性が高くなります。とはいえ、品質の高いPCaは、現場施工のコンクリート在来工法の様にジャンカやコールドジョイントは発生しないため、メンテナンスを定期的に行えば問題は無いと思います。

   
              赤丸:の幕板部分

今回、新築から2回目の外壁塗装を施工するお客様のご自宅(1回目の塗装は他社です)もプレキャストコンクリート(PCa)でした。塗り替えの為の現場調査の段階で、さっそく不具合を発見・・・上記写真(赤丸)の幕板部分は、新築当初、1階と2階のPCaパネル水平方向(横方向)の継目が幕板内部にあり、幕板取り付け前にシーリング(コーキング)が充填されています。また、新築当初では幕板天端のシーリング劣化は想定内であり、天端のシーリングが破断して雨水が幕板内部に流下しても、下端の隙間(幕板内部)から排出されます。なので、内部水平方向のシーリングが破断してなければ雨漏りリスクはさほど高くありません。

では、前回の塗装の何が問題かというと、以前の塗り替えで幕板まで防水性のある外壁塗装材で一緒に塗装されており、幕板の下端も外壁材で塗り込んであるので、下端に隙間がほとんどありません。要するに、浸入した雨水が排出されない状態になっていました。こうなると、幕板内部で雨水が滞留し、通常より劣化が進むことになります。自宅を長持ちさせるはずの塗装ですが・・・本末転倒・・・(^^:)

なぜこの様な事が起こるのかというと、要するにプレキャストコンクリート(PCa)の構造を工事会社が理解していないためです。

ア〇でしょうか⁈・・・無知より恐ろしいものは無い。・・・(^^:)


(上記写真は板金仕上げ:茶色)

お客様には、やんわりと不具合を指摘し・・・幕板の防水処理と排出を確保して、板金で仕上げる事にしました。その後、外壁の塗装です。外壁塗装も話したかったのですが、長くなるので・・・本日はここまでにしておきます。最後までご覧いただき、ありがとうございました。(^^)

 
 ⇒ 
before           after

幕板の下端が原因で漏れ出した、他の現場での雨漏り調査です。興味があれば、参考程度にご覧ください。