こんにちは

今日は、12年前に塗り替えた 寺の本堂のお話です。
今回は、別の個所の塗り替えですが12年たっても非常に艶も良く嬉しく思い投稿しました。

茶色と白の色わけ部分が多く
色のラインを真っ直ぐに見せるのに非常に苦労したのを覚えています。

木の白の四角い木口(こぐち)は全部で400か所以上あるので
真っ直ぐなラインの綺麗な四角形に見せるのも全体の塗装を美しく見せるコツです!
普通に塗れば良いのではと思うでしょうが、・・・いえいえ、そうはいかない・・・

なぜなら、
木はそれぞれの癖で微妙に反り返ったり伸縮しているもの。
木の癖のなりで白い四角形を塗ると統一感が出ずまるで美しくないのです。

なので、美しく見せるためにも
あるルールにそって塗っていく事が大事。
それが400か所あるのだから、気が遠くなるような作業なのです。
まぁ、終われば、やり切った感はあるのですが・・・ちょっとだけ面倒かも・・(笑

そもそも、なぜお寺などは木の木口だけ塗るかというと
実は木が腐る場所はのこぎりで切り落とした切断面から腐りはじめます。
その為に切断された垂木の木口だけ雨水の浸入を避けて腐食を予防する意味合いがあります。

12年ぶりに訪れたお寺は、そんな思い出の多い
仕事なので今でも当時と変わらず色あせてないのが嬉しく思うのです。

今でも美しいのは
「心をこめて手がけた仕事だから」と言いたいとこですが、
屋根からの庇が長く直射日光や風雨が壁に当たりにくいのが一番の理由です。

「昔の職人さんの知恵は素晴らし」と改めて感じました。
平成の職人も知恵を絞って頑張らなければならない、そう思う瞬間だった。・・・(^^)