フッ素塗料の特徴と価格、代表的な商品
フッ素塗料は耐候性が高いことから歯のコーティング、スカイツリーの塗装、調理器具など幅広いジャンルで使用されています。耐候性の良さに関しては、疑う余地は無いと思います。
ただし、住宅にフッ素塗装を施工する場合は塗料の性能だけで決めずに、デメリットや注意点なども把握しておく必要があります。このページでは、フッ素塗料の特徴やどのような方にオススメなのかを説明いたします。
目次
フッ素塗料はどんな塗料なのか?
フッ素塗料とは、アクリル+顔料+蛍石(ほたるいし)を原料としたフッ素樹脂を配合した塗料のことです。フッ素樹脂の含有量にもよりますが、基本的には14年~20年程度の耐候性を維持します。
フッ素塗料のメリット
フッ素塗料のメリットには、次のような点が挙げられます。
・耐候性に優れており、紫外線に強い
・耐摩耗性により、光沢が長く持続できる
・調理器具にも使用される程の耐熱性を持ち、熱による劣化に強い
フッ素塗料のデメリット
フッ素塗料のデメリットは以下の通りです。
・コストが高い
・再塗装の際に専用の下塗り材が必要になる場合がある
・基本的に塗膜が硬い
フッ素塗料の施工単価(m2)はいくらくらいか?
下地の状態により施工単価は異なりますが、平均的には3,300円~4,500円ぐらいで施工が可能です。
弊社でフッ素塗料を選ばれるお客様の割合
外壁塗装、ピュアアクリル(+ラジカル制御)60%・ウレタン0%・シリコン25%・フッ素10%・光触媒0%・無機塗料5%になります。鉄部や樋塗装、ウレタンOP50%・フッ素OP50%です。
光触媒は以前、光触媒の大元ともいえるTOTOエクセラのハイドロテクト(光触媒)を使用していましたが、光触媒の製造を中止したことから現在は使っていません。
こんな方にオススメする塗料です
フッ素塗料は、次のようなケースの時にオススメできる塗料です。
鉄部の光沢を維持したい方
樋や雨戸、庇などの鉄部の光沢を長く保ちたい方にオススメです。フッ素塗料は耐候性・耐摩耗性に優れているため、長期にわたって光沢を維持することができます。
シーリングを使用していないモルタル外壁
外壁に関しては、シーリングを使用していないモルタル外壁は最適と言えます。
シーリングとは、外壁の目地部分に施工されているゴム状の部材です。サイディングやALCパネルが地震などの揺れで破損しないように、揺れを吸収する役割があります。
フッ素塗料がシーリングを使用していないモルタル外壁に向いている理由は、シーリングの耐久性にとらわれず、塗料の耐用年数を最大限に発揮できるからです。
反対にシーリングを使用している外壁の場合は、シーリング自体がフッ素塗料の耐用年数よりも早く剥離する可能性が高いため、あまりオススメできません。
たとえ高価なフッ素塗装で外壁材の劣化を維持できても、シーリングが破断すると壁内部に雨水が浸入する事になるので、塗料の耐用年数を迎える前にシーリングの打ち直しを含めた外壁リフォームが必要になります。
最近では、20年以上維持できるシーリング材もあると聞きますが、多くはシーリングの色あせや退色、シーリング材のひび割れについての保証が大半であり、シーリングと壁の密着については保証外となります。
このように誤解を招きやすい商品も出てきているため、シーリングの有無にあわせて塗料を選ぶことも大切です。
継ぎ目のない屋根材
前述の通り、シーリングは塗料よりも早く劣化するので、目地のある外壁材に塗装するよりは、継ぎ目のない屋根材に塗装するのがオススメです。
また、屋根は紫外線の影響を多く受け、外壁の1.5倍の早さで劣化が進むため、高耐久なフッ素塗料を使用することで長期的に屋根材を保護できるといったメリットもあります。
屋根のルーフィングの劣化が進んでいない場合
屋根にフッ素塗料を塗装する際は、2次防水であるルーフィングの劣化が進行していないことが重要となります。
もしルーフィングが劣化している状態で塗装した場合、塗装後数年でルーフィングの劣化が原因で雨漏りが発生し、フッ素塗料の耐用年数を迎える前に修繕工事が必要になる可能性が考えられます。
せっかくフッ素塗料を塗装しても、その性能や耐久性を十分に発揮できなければ意味がないので、しっかりと下地の状態も確認しておくことが大事です。
代表的なフッ素塗料
代表的なフッ素塗料には、以下のような商品が挙げられます。
● 塗料1:ファイン4Fセラミック
塗料メーカー:日本ペイント
おおよその単価:施工価格3,300円~4,200円
● 塗料2:クリーンマイルドフッソ
塗料メーカー:SK化研
おおよその単価:施工価格3,400円~4,500円
● 塗料3:セラMフッソ
塗料メーカー:関西ペイント
おおよその単価:施工価格3,500円~4,500円
フッ素塗料に関するよくある質問
艶ありしかないと聞いたのですが、本当でしょうか?
メーカーにもよりますが、基本的には3分艶までになります。
完全な艶消しにすると耐候性が落ちると言われているので、耐候性が売りのフッ素の場合では、メーカー的にも販売が難しい商品になると思います。
塗膜が割れやすい聞いたのですが、本当でしょうか?
「柔軟剤を樹脂に入れて柔らかくする」的な話はありますが、基本的には塗膜の硬い樹脂です。そのため、フッ素塗料は割れやすいと言えます。
また、シーリングを使う外壁には合わないというのが私の見解です。もし、フッ素を外壁に塗装するのであれば、シーリングを後打ちにして化粧目地としてデザイン性を持たせるのも一つの考えです。