お家は雨漏りを放置したまま塗装をしても長持ちしません。有限会社グラス・サラは、長く住める家をコンセプトに提案できる雨漏り・防水専門店です。

雨漏り調査事例 写真を使って浸入経路を解説

雨漏りの侵入経路には、どのような箇所があるのかをわかりやすく説明するために、普段私が行っている雨漏り調査を写真付きで解説していきます。

屋根からの雨漏り侵入経路の解説

屋根は雨をモロに受ける箇所などので、雨漏りの原因になることが多いです。屋根材ごとの侵入経路を解説します。

折半屋根の調査事例1

屋根1

折半屋根の調査事例です。この写真を見ると、雨が漏れそうな所を何層にもコーキングが打ってあるのがお判りでしょうか?屋根屋さんなど色々な方が雨漏り修理に挑んだようですが、止めれなかった痕跡です。調査するには広範囲になる上に、今まで解らなかったと言うことは難易度が高いと判断できます。

弊社で調査した結果、1日で5か所ともパーフェクトな再現が出来ました。正直な話、結構難しい雨漏りでした。何層にもシールが塗ってあり雨漏りの侵入経路が複雑なため、何度もアプローチを変えました。

一番の問題点は屋根の勾配があまり無いことです。水がスムーズに流れ落ちないことや、風による吹き降りに、通常の雨仕舞の仕組みでは対応し切れないようです。

image001

いまさら屋根に勾配を付け直すわけにもいかず、雨仕舞の仕組みには、かなり知恵を絞る必要がありました。中心の棟の部分に勾配をつけて、更に吹き降りで水が浸入しにくい構造を作る難易度が高い工事になりました。

折半屋根の調査事例2

こちらも折半屋根の調査事例です。折半屋根は、ボルト部分・継ぎ目からの雨漏りが多いです。以前にシールでボルトキャップを補修してある跡がありましたが、下の看板金具と折半屋根の隙間に水を打つと雨漏りが確認されました。

看板が風を受けて看板金具が揺れることによりボルト穴が広がり、雨が浸入しやすい状態になったようです。

カラーベスト屋根の調査事例

カラーベスト屋根の調査事例です。雨漏りの後を調べるために、屋根裏に入りました。足元が天井板なので、梁の上を綱渡りするように移動します。一つ間違うと天井を突き破るので、ホントに緊張します。

屋根3

緊張したかいがあり、屋根裏に雨漏りの跡を発見しました。また、屋根に上りカラーベストの割れているところが、ちょうど屋根裏の雨漏り跡とピッタリ一致しました。

屋根3

三角のブリキの真ん中部分から屋根の下地の野地板が見えています。雨漏り調査は大変な作業でしたが、お客様の笑顔が一日の疲れを癒してくれます。

外壁の侵入経路の解説

外壁は、屋根に比べると雨が直接当たることは少ないので、雨漏りには関係ないと思っている方もいます。しかし、外壁の劣化が原因で雨漏りすることもよくあります。ここでは、外壁の侵入経路の解説します。

モルタル壁の調査事例

モルタル壁の調査事例です。通常は、モルタル壁の内側にある防水紙の上を通って内部には水が回らないように、外に流れ出る仕組みになっています。しかし、今回の事例はモルタル壁のひび割れから水が浸入して雨漏りしていました。

モルタル壁のひび割れ

では、今回なぜ雨漏りしたのでしょう?実は、この換気口に不具合があったようです。

モルタル壁のひび割れ

どうやら壁を仕上げた後に、穴を開けて換気扇を取り付けたようです。開口部の切断部分は防水紙がむき出しの状態になっていて、穴をふさぐように換気フードを取り付けてありました。

たぶん、換気フードを取り付ければ雨が回ることは無いと、新築当時の施工業者さんが考えたのだと思います。ですが、すべての建物は老朽化します。

モルタル壁のひび割れ

お解りになるでしょうか?念のため解りやすく解説しておきますね。

雨漏りのメカニズムはこうです!

経年劣化でひび割れがおきる

ひび割れから水がモルタルと防水紙の間を流れる

換気口の内側に水が回る

換気口の下端で水を受けて

下端の防水紙の内側にも水がまわる

当然ながら雨漏りする

一般的には、ひび割れをすると心配になると思いますが、外壁がひび割れてもすぐに雨漏りするわけではありません。

日本の建築技術は優秀です。外壁のひび割れから水が回るのは想定済みで、この雨を外に逃がす仕組みを雨仕舞といいます。

ただ、ひび割れたまま長く放置をしていると、防水紙が痛んだりモルタルが浮いてきてはがれる原因になるので、最低限の補修はしてください。

サイディングの調査事例

次はサイディングの調査事例です。雨漏り診断士の後輩と雨漏り調査をしました。新築で建てた会社ではどうにも雨漏りの原因がつかめずとか?お客様に対するヒヤリング結果と私の経験で、ある程度の場所を絞り込んでから散水調査をしました。

下の写真は散水検査による雨漏りを再現したところです。

サイディング

短時間に計4か所から雨漏り箇所が見つかりました。その内の1か所が…。

サイディング

壁と屋根のつなぎ目のシーリング材を切って驚き(ーー;)!雨仕舞に必要な水切り部分の返りも防水シート無い??

サイディング

今度は瓦と水切り部分にシーリングの補修がありました。

サイディング

シーリングを切り取り開けてみると、 シーリングのバックアップの代わりに新聞紙の束と水が出てきた…。1995年6月1日木曜日のスポーツ新聞とは流石に驚きました。

サイディング サイディング

なんとか、お客様を傷つけぬ様に事情説明して終了です。

サイディング

参照:外壁の雨漏り修理(補修)と考え方 (関連記事)

その他の侵入経路の解説

屋根や外壁以外の侵入箇所もあります。ここでは、ベランダやサッシ部分からの侵入経路を解説します。

ベランダ防水の侵入経路の解説

ベランダ防水の侵入経路です。散水調査をした結果、玄関の上にあるベランダの排水口・その付近の屋根などの取り合いから、計3か所の雨漏り箇所が見つかりました。

ベランダ防水

今回は、笠木を取り外し防水層を巻き込むことにしました。本来、防水層は床からそう高くない位置で終わるのですが、雨仕舞が悪いと判断したので、お客さんの負担が増えるものの長く住める事を説明して防水層を上まで巻き込みました。 屋根も一部不具合があり補修です。

ベランダ防水

サッシの調査事例

サッシの侵入経路です。1F~2Fの階段の梁から横降りの雨の場合に漏水していました。

サッシの不具合

お客様は、長い間雨漏りが止まらず、サイディングのカバー工法で雨漏りを止めようかとお考えでした。私は、カバー工法でも止まらないケースを何度も見てきた事を説明して、先ずは散水検査で侵入箇所の確認をしました。

サッシの不具合

上の写真、散水検査による雨漏りの再現です。今回のケースは3Fのサッシ自体の不具合で、階段下の天井をつたいつ1Fの梁に当たって漏水していました。

サッシの不具合

このような場合は、サッシ自体の不具合なので、サイディングを張り替えても、雨漏りは止まりません。

まとめ

雨漏り調査は、侵入経路の仮説をたて、散水調査などで実際の雨漏りを再現させることが重要です。

雨漏り調査をしっかり行わず、当てずっぽで修理を行うと雨漏りが止まらないだけではなく、逆に悪化することもあるので注意が必要です。

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